2012-01-16 ■ アンソロジー 鑑賞・短歌人 くりの実を甘く煮ており三十の鬼皮剥きしわがゆびのため 高木律子 足先をそろりブーツにとほしゆき直立二足歩行の覚悟 関口博美 双眼鏡の視界のなかに閉ぢ籠もりしばしかもめの群を見てゐる 大室ゆらぎ 細やかなこころなるべしとび発てば鷺の二の脚虚空に揃ふ 柘植周子 両脚を踏ん張り正しく太鼓打つ幼児の眸ひかりを放つ さとうひろこ リアス式海岸に似る足指をねんごろに洗ふ地震より七月(ななつき) 春野りりん ショッピングモールから伸びた新しい道路わきにも彼岸花咲く 黒崎聡美