2012-02-01 ■ 短歌人(月例作品) 短歌 アロマミストランプ 伊波虎英 アロマミストランプ灯せりぬばたまの夜を短歌に倦(あぐ)み疲れて 月かげの青を浮かべる湖ゆたちたる霧のかぐはしきかな キャンドルが文具でありしいにしへの夜よ、ひと恋ふ心のぬくみ 夕刊に小さく載りしルネ・ヴァン・ダール・ワタナベの訃もなにやら悲し 目薬のさいごのさいごの一滴のまだあるはずがなにゆゑ落ちぬ 珍しき図柄と色の切手あまた貼られて届く小包なつかし 宅急便うまれし頃にわたくしのサンタクロース失踪したりき あたらしき年の暦をいろどれる過去の風景みらいの数字