2012-04-01 ■ 短歌人(月例作品) 短歌 冬の真水 伊波虎英 百貨店のみで使へる商品券手元にあればひやくくわてん巡る しめやかに仏具売場は七階の奥処にありて線香を買ふ 浴槽に冬の真水をみたす間もこぼれつづける命はわれを 「カーネーション」見つつ思へり尾野真千子演ずる河野裕子を見たし 六年半前に詠ひし大想源が新十両となるをよろこぶ 大想源と名乗るは二年のみなれど十一年土俵にあがりし千昇 わが街を中村雅俊(まさとし)はまた訪ふらし今朝のパチンコ屋のチラシに知りぬ 「汚い」と知事が言ひたる清盛をわれは毎週楽しみて見る