2012-06-01 ■ 短歌人(月例作品) 短歌 ジュとオレ 伊波虎英 ポタージュがゆつくり冷めてゆくやうに孤立死はあり、孤立の後に 春一番吹かざる街のミシン目を雑にやぶりて開けてみたし タトゥーなき力士のひろき背(せな)に書く < 脱原発 > と人さし指で 番組に過去なつかしむもの多き弥生、日本はもうおしまひか はくもくれん白く揺れをり三人が死刑執行されし日の午後 へたくそな歌をとばしてNHK連続テレビ小説を見る カフェオレをこぼしたやうにさへづり(tweet)が液晶画面をたちまち汚す