2012-07-01 ■ 短歌人(月例作品) 短歌 五月の風よ 伊波虎英 春眠や、行きか帰りか知らねども亀の甲羅にまたがり候 みそ汁の半熟卵をつぶさぬやう茶わんの飯のうへにのせたり つぶさぬやうのせた卵の半熟をましろき飯のうへでつぶしぬ 人間が造りしものを破壊する神が創るを破壊する人 神々が創りしものを破壊する人が造るを破壊する神 霊園のごとき地球に墓のなき国ありて吹く五月の風よ 『言語にとつて美とはなにか』を入り口に短歌はじめし人の羨しも 目じりから目がしらまでを測る人あまたゐむ『うたの人物記』読みて