2012-09-01 ■ 短歌人(月例作品) 短歌 ベビーリーフ 伊波虎英 納豆に夏の緑をふらせたり刻みてまぜて香る大葉を 納豆の糸食ふために納豆をよくかきまぜる 大飯再稼働 啄木のひと生(よ)のごとき若草のベビーリーフの苦みを食めり つまらないことでも物を考へてをれば頭が痒くなるなり 頭、首、肩を消されて通り過ぐシャッターおろす店主の前を イヤホンを耳にねぢこむ闇よりも黙(しじま)恐るる夜がまた来て 「いま君が必要なの」と真夜中に南北戦争前の貴婦人(レディ・アンテベラム)がわれを求める いれかはりたちかはりして死者たちの魂あそぶぼんぼん時計