2014-05-01 ■ 短歌人(月例作品) 短歌 冬の感傷 伊波虎英 氷上に揺れつつ灯るいつぽんの和蠟燭かな、ああ浅田真央 小学生の頃をしみじみ思ひだす朱川湊人の本にひたれば 車庫の上(へ)に共同物干し台ありき冬の真昼の満艦飾よ 洗濯物取り込まるればプロレスのリングとなりし物干し台は 「珈琲の青山」閉店せしことも時代の流れといへばそれまで 暇つぶしに点けしテレビに労働をつづけてゐたる芸人、俳優 揉み上げの長さが左右ちがへるは大衆理容ゆゑに許容の範囲 字余りのごとき左の揉み上げにかみそりの刃を当てて揃へき