2014-06-01 ■ 短歌人(月例作品) 短歌 折々のうた 伊波虎英 「茹で損なひの枝豆みたい」といふ比喩のいかにも江戸に居さうな男 片つ端から山本周五郎を読みかへす気力なきこと哀しみのひとつ さ、くら、さく来世の花を天守より見おろしゐたる秀吉とわれ 生活が顔に出でたる美人にはなかなか会へぬ街を歩けど 生活が顔に出でたる美人にはオーラの要らぬ美しさあり 「よう草鞋作つたけれど忘れたわ」朝ドラを見て母はつぶやく 採集電車、回想バスが老い母の眠りの闇をゆるるりと発つ たちまちに咲いて散りゆくこの春のさくらを見しか小保方さんは