2014-07-01 ■ 短歌人(月例作品) 短歌 五月のうた 伊波虎英 五月とは街ゆくひとが誰もみな青眼をして迎ふる季節 精神がでぃらんでゅらんと移動する五月の風にほぐされながら 壺中の天めがけビルから飛び降りる勇気はなくてスマホをのぞく 猫の目と犬の目のひと語らへり小鳥さへづる音色をさせて ほほゑめば少しのぞける奥の歯の銀の冠(かむり)もかはゆき乙女 当たり外れの外れの多き赤茄子を愛ほしみつつサラダに食みぬ はなびらの一まいこぼれ柳原百蓮といふ誤植となりぬ エクステの睫毛の影が目の下のくまの翳りをいや増す女優