○  伊波虎英


木(こ)の暗(く)れのしげしげ見られゐる洞にぴつたりはまる詰め物の銀


今日もどこかでジョンとポールの歌声がきこえる青きあの星が地球


やはらかき五月の風の重なりて唯一無二なる聖典となる


何も盗らずに逃げたコンビニ強盗のごとき、然れども青春ありき


苦手なる臭ひなれどもチャーハンに入れればうまし白菜キムチ


頼りなき臭ひと思ひつつ日々の儀式に捏ねて納豆まぜる


幼き日食べゐし納豆かぐはしく豆の味はひ深かりしかな


ぬばたまの黒酢、黒ごま、丹波産黒豆きな粉を毎日食す