2015-09-01 ■ 短歌人(月例作品) 短歌 夏の日時計 伊波虎英 ひかがみに光あつめて街をゆく乙女は夏の日時計である 押し寄せる中国人の爆買ひの「爆」に「恭」の字ありさうでなし 外つ国の人が大勢行くといふUSJに一度も行かず づば抜けて歌の上手きはキム・ヨンジャなれど桂銀淑のこゑに惹かるる 忘れへん忘れへんと唄ひたる私は桂銀淑を忘れへん 雨の日のブックオフにはうらぶれた娼婦のやうに歌集が並ぶ 部屋ぬちに洗濯物が短冊のごとく垂れをり雨の七夕 加藤茶の年のはなれた細君の広島訛りに心やはらぐ