残生お見舞ひ  伊波虎英


バカ犬がまた吠えてゐてこの町の気温きやんきやん朝から上がる


シャンプーと同じ香りの歯みがきで磨かるる歯に脳はおどろく


残生お見舞ひ申し上げます 夏空に定形外のしろき雲わく


愚策なるプレミアム付き商品券なれども愚民のわれは利用す


日用品、日々の食費に消えてゆくプレミアム付き商品券は


情けなく思へることのこの頃は多き母なる国を愛せり


そらにみつやまと我が国につぽんを人に見立てば稀勢の里なり


アスファルト道路の熱を撲ちやまぬゲリラ豪雨は神の涙か