二日目のカレー  伊波虎英


黒き雪、十一月の東京にふり積むといふデマを信じる


とりどりの茸たつぷり入りたるカレーかすかに土の香りす


週五日通ふであらう朴槿恵(パククネ)が大衆食堂のおばちやんならば


老い人がハンドル握る自動車が突つ込むブレイクショットのごとく


ひび割れた厚きくちびるもごもごとうごく極月「なんか、なんかなあ」


二日目のカレーのやうに人間も老いをむかへることができたら


三十年前に泊まりしウオジ苑その名のみわが記憶に残る