莢豆のすぢとるゆふべしろたへのボーンチャイナに春ふとりゆく 弘井文子
かしゆーなつつあまやかにしてヒンドゥーの女神の腰のくびれおもほゆ 高島藍
薪を割る台(うてな)にあまたの傷がありされどいづれも遺恨なき傷 佐々木和彦
火鼠のかはごろも獲(と)りに行きしまま六十三年かへらざる父 田中曄子
紅白にさだまさし出ぬを淋しめどおしくらまんじゅうおされてしんねん 佐山みはる
スーパーの出口でねだる男の子ノブにつかまり本気見せおり 泉山和美
「あ」で始まり「んとす」で終はる広辞苑に「こうじえん」引けど「広辞苑」なし 三島麻亜子
(2009.4.27.記)