年末恒例題詠◇わたしの愛読書



宗教で囲へば逃げてゆく神のあかんべえする桃色の舌  


 二十年前に手にした遠藤周作の『深い河(ディープ・リバー)』
には、学生時代に親しんだ彼のこれまでの作
品(キリスト教系の学校に通っていた僕にと
って遠藤周作の数々の作品はある種救いであ
った。)や宗教観が凝縮されていて、以来何度
も読み返している。また、この本がきっかけ
でインドに興味を持つようになり、数年後、
インドのヴァラナシを訪れた。(伊波虎英)